「へっくしゅっ」

「弟くん、大丈夫?」

「こ、これくらい平気です。 特に薄着のあなたに心配される謂れはありません」

「あたしこの辺の出身だし、慣れてるもん。 それにほら、マフラーがあるから」

「………はあ、そうですか」

「弟くんは生まれも育ちも暖かいところだし…ていうか、育ちはむしろ暑い所か…まあ、寒さ慣れしてないのはしょうがないよ」

「子ども扱いしないでくださいっ」

「べつにしてないよ〜」

「してます! ……っくし」

「やっぱ寒そうだよね。 うーん……、ん? …そっか、マフラーか!」

「なっ、何をするんですかパスカルさん!! く、苦しいです…よ」

「二人でマフラー巻けばより暖かいと思わないっ? それにロングマフラーだから、充分余裕はあると思うけど」

「これでは戦いに支障がっ…」

「嫌なの?」

「……………別に、嫌では、ありませんが」






--------------------------------------------------------
「ねえ教官、パスカルとヒューバートは何をしてるの?」
「いいところに気づいたなソフィ、あれはとても仲の良い男女が行うマフラーの巻き方だ」
「そっか、パスカルとヒューバートは仲良しなんだね」