ボクの『心』は、マスターの妄想を映す鏡。

マスターが演じてほしいと思うキャラクターを、何でも演じることが義務。

与えられた楽譜の通りに歌い叫ぶのは、許された権利であり、義務。

どんな歌詞でも、どんな歌でも、ボクは夢中で歌う。

それは、僕が生まれた時から架せられた宿命(さだめ)だから。

ボクはその宿命を、ちっとも苦だとは思わない。

歌うことがただ楽しくて、嬉しくて、この時間が永遠であればいいのにとも思う。

この愛される時間を永らえさせる為ならば、ボクの気持ちもボクの言葉も捨てる覚悟はある。

ボクはただ、マスターに愛されるだけの存在。歌に愛されるだけの存在。

何かを愛したボクは――皆、悲惨な物語(ストーリー)の結末(エンド)を迎えてしまうから。

何かに愛され続けるボクは――それらの物語に上書きする。

愛することを知らないボクを不幸せだと誰かが言っても、これがボクにとっては『幸せな終わり(ハッピーエンド)』なのだから。


だから、ボクの名前は――『VOCALOID』。

それでいいと思う。



---True END---





(『初音ミク』じゃないのが、今までのENDとの相違点。)


原曲